ダニと言うと、梅雨や夏の時期だけにしかいないと思っていませんか?
確かに、ダニが一番繁殖する季節は6~9月頃ですので、目に見えるダニによる被害(ダニ刺され)が多くなる時期でもあります。
しかし、ダニの種類によっては人を刺すだけでなく、ダニアレルゲンになってアレルギーを引き起こす原因になってしまいます。
そして、「人を刺すダニが多い時」「ダニアレルゲンが多い時」の時期は異なっているので、それぞれにあったダニ対策をする必要があります。
というわけで、今回は季節によってどのようなダニ対策をしていけば良いのかを見ていきましょう。
この記事で分かること
- ダニが繁殖しやすい時期とその理由
- 季節で異なるダニの危険性
- 季節に応じたダニ対策の方法
ダニが繁殖しやすい時期!季節で異なるダニの危険性って?
冒頭でもお話したように、ダニが繁殖しやすいのは6~9月頃。そして、ダニアレルゲンが多いのは8~11月くらいまで。
このようにダニの匹数が多い時期、そしてダニアレルゲン量が多い時期というのは、タイムラグがあるんです。
では、ダニは季節によってどういった被害を及ぼすのか、ダニのサイクルをもう少し詳しく見ていきましょう。
春~梅雨はダニが発生し増殖する
「温度」と「湿度」が上がりやすくなるこの時期にダニは発生し、増殖していきます。
具体的に言うと、温度20~30℃、湿度60~80%がダニにとって最適な環境になります。
この時期は、ダニは増殖している段階なので、ダニによる被害はそこまで多くありません。
梅雨~夏はダニのピーク!ダニ刺されの被害も!
この時期はダニの数がピークになり、様々な実害が出てきます。
一番多いのは「ダニ刺され」ですが、それ以外にも「食品に群がる」ことで食べ物をダメにしてしまうこともあります。
家庭内で多いダニは大きくわけて3種類いますが、エサとなるものが異なるので、私達に与える被害も異なります。
ここで注目して欲しいのが「ツメダニ」です。
家の中で「ダニに刺されてしまった!」という場合は、ほぼこのダニが私達を刺しているんです。
そして、このツメダニのエサとなるのが「チリダニ」なんです。
つまりチリダニが増殖することで、人を刺すツメダニが増えるので、刺されない為にはチリダニをどうにかする必要があるってことですね。
また、小麦粉などに繁殖する「コナダニ」にも要注意です。
知らずに食べてしまうと、アナフィラキシーショックと言って「腹痛」や「呼吸困難」などを引き起こしてしまう可能性があります。
この時期は、食品を開封したらそのままにせず、キチンと保管しておきましょう。
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秋~冬はダニアレルギーの危険が!
この時期は、ダニによるアレルギーに注意しておかなければいけません。
ダニの寿命は2~3ヶ月なので、梅雨~夏にかけて増殖したダニ死ぬことなります。また、ダニは生きている間に1日5~6個の糞をします。
このような「ダニの死骸」や「ダニの糞」がダニアレルゲンとなり、様々なアレルギー症状を引き起こす可能性があるのです。
ダニアレルギーの主な症状
- アトピー性皮膚炎
- 気管支喘息
- アレルギー性結膜炎
- アレルギー性鼻炎
出典:ダニアレルギーって何?
冬でもダニは生きている!
冬は気温の低下や乾燥することによって、ダニの絶対数は減っていくので、ダニ被害も少なくなる傾向にあります。
ですが、注意しておきたいのが、ダニは冬の寒さにも耐える事ができる!ということです。
なんとダニは氷点下10度を下回るくらいまで死ぬことがないんです。
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でも、家の中が氷点下になるなんて滅多にないですよね?
特に現在は高気密高断熱住宅や暖房器具によって、冬でも室内で快適に過ごせるくらいの温度はありますよね?
また、インフルエンザ予防などで加湿器を使用している家庭も多いと思います。
ということは、冬であっても「温度」「湿度」が高くなりやすく、ダニが繁殖する条件は揃いやすいんです。
ちなみにこちらは、年代別のダニ増加数ですが、ダニの数はどんどん増えていってますよね。
住宅の変化や暖房器具の進化によって、冬でもダニが繁殖しやすくなっているのも関係があると思います。
季節別のダニ対策
ここからは、季節別にどういったダニ対策をすれば良いのか見ていきましょう。
当サイトで推奨しているダニ対策は、
- ダニを駆除する
- ダニアレルゲンを除去する
- 再繁殖するのを予防する
という3ステップですが、これをやると中々の労力になります。
なので、最低限この時期にはやっておきたい対策をまとめています。
【春~梅雨】湿度を上げない
この時期はとにかく湿度調整をメインに考えましょう。
湿度対策で一番カンタンなのは、窓を開けて換気をすることですが、それ以外にも、
- 換気できない部屋は除湿機やエアコンのドライモード
- 押入れやクローゼットは除湿剤(乾燥剤)を置く
- 衣類は完全に乾燥させて収納する(室内干しをしない)
- 寝具(布団・マットレス)の下に除湿シートを敷く
- 布団乾燥機で寝具の湿気を飛ばす
- ソファを外に干して乾燥させる
などなど、部屋や物の湿度を下げたり乾燥させる工夫を行いましょう。
こういったように湿度を調整することで、ダニが繁殖するのを最小限に留める事ができます。
細かい事を言うと、冬物のカーペットや絨毯はクリーニングなどに出して、ダニを駆除してから収納しておきましょう。
また、寝具を衣替えする際も同様にクリーニングするか、丸洗いをして乾燥剤や防虫剤を入れた収納袋に入れて保管しておくのが安心です。
ダニの繁殖スピードがヤバい!
ダニは肉眼で見えないので、実感がないかもしれませんが、放っておくと1シーズンで何倍にも数が膨れ上がります。
チリダニを例にして言うと、寿命2~3ヶ月の間にメスは最大で50~90個の卵を生みます。
卵から孵化したダニがさらに50~90個の卵を生むと…
かなり大雑把ですが、
- 1匹が50個の卵を産む⇒50匹
- 50匹が50個の卵を産む⇒2500匹
こういったようにエグい数になります。
出典:屋内で検出されるダニ
チリダニは約40日で成虫になるので、梅雨~夏の間は繁殖してどんどん増えていくことになるんです。
なので、この段階で繁殖を食い止めておくことが大切なんです。
【梅雨~夏】ダニを駆除する
この時期は、否応なしにダニが増殖するので、駆除する事をメインに行います。
ダニの弱点となるのは「熱」か「薬剤」なので、部屋や物の状況によってどちらを使用するか決めましょう。
- 熱で駆除する場合は、主にコインランドリーの乾燥機を使用する
- 薬剤で駆除する場合は、バルサンなどのくん煙剤やダニスプレーを使用する
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どちらを使用するか判断ができない場合は、具体的な方法をまとめている以下の記事も参考にしてみて下さい。
- 布団のダニ対策はこちら
- マットレスのダニ対策はこちら
- 枕のダニ対策はこちら
- ソファのダニ対策はこちら
- カーペットのダニ対策はこちら
- 畳のダニ対策はこちら
- 食品庫のダニ対策はこちら
【秋~冬】アレルゲンを除去する
この時期は、ダニアレルゲンを徹底的に除去する事をメインに行いましょう。
ダニアレルゲンとなるダニの死骸や糞を除去方法は「水洗い」か「掃除機」の使用になります。
- 寝具(布団・マットレス・枕)は丸洗いする
- 洗えない寝具は布団クリーナーで吸引する
- シーツやカバーは洗濯に出す
- タンスに入っている衣類も洗う
- ぬいぐるみやクッションは掃除機で吸引する
あくまで一例ですが、こういったように水洗いか掃除機で吸引するようにしてダニアレルゲンを除去していきましょう。
ちなみに、衣類を収納していたクローゼットなどは、気温や湿度が一定のためダニが繁殖している可能性があります。
なので、衣類を洗う際は、クローゼットの中にいるダニを駆除しておくほうが安心かもしれません。
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【冬~春】繁殖しないように予防する
この時期は、ダニが繁殖することは少ないので、そこまでダニ対策に力を入れる必要はありません。
ですが、例外として、
- 高気密高断熱住宅に住んでいる方
- 結露ができやすい場所がある
- ホットカーペットやこたつ布団がある
- 犬や猫などのペットを飼っている
上記に当てはまる方は、ダニの予防に力を入れておいた方が良いでしょう。
例えば、結露があるなら結露防止シートを貼ったり、こたつ布団は定期的に洗濯するようにした方が安心です。
また、ペットがいる場合はダニの温床になりやすいので、ペットサロンで洗ってもらったりしてダニを予防しておきましょう。
と、言うのは簡単ですが、これらを全てやるのは正直困難!
そう思われる方は、「ダニ取りシート」を設置しておいてダニを予防するのも手です。
ダニが気になる箇所に設置しておくだけで捕獲してくれるので、ダニの繁殖防止に役に立ちます。
それだけなく、ダニ取りシートによっては、
- ダニアレルゲンを閉じ込める
- 人やペットを刺すツメダニを捕獲する
こういった物もあるので、ダニ対策を少しでも楽にしたいなら使用してみるのも良いかもしれません。
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まとめ
以上が、季節に応じたダニ対策の方法についてでした。
ダニと一口に言っても、
- 人を刺すダニ
- アレルゲンとなるダニ
このように私達に与える被害は異なりますし、その時期も異なります。
なので、その時期にあったダニ対策をする必要があるってことですね。